ウォータープルーフ

waterproof /沼尻つた子

塔短歌会への入会

 

 塔短歌会への入会申込は、2006年の9月頃に行いました。
会費振り込み等の手続き後、同年11月号の「新入会員紹介」欄に名前が載り、
月詠(毎月提出する短歌作品)の掲載は12月号からでした。
塔誌は一般の雑誌のように月を先取りせず、11月号なら11月に発行されます。
会員の自宅に配送されるのは毎月15日前後です。
活字になった自分の名前をみて、とてもどきどきしたのを今でも覚えています。

任意で短文の自己紹介がつけられるのですが、私は
「昨年より短歌を始めたばかりです。まだまだ勉強不足ですが、
 精一杯学んでいきたいと思っております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。」
と書いています。
ガッチガチに緊張している……。

同月の入会者は15人。
相原かろさん・佐藤陽介さんのように、
当時から同期生として意識しあっている仲間もいますし、
正直、お名前を存じ上げない方もいらっしゃいます。
もう誌面にお見かけしない方も、逝去された方も。
10年という歳月です。

紹介者として、河野裕子さんの名前がある新入会員も幾人か。
河野さんは雑誌や新聞歌壇の投稿者・カルチャースクールの生徒さんに
「これは!」という無所属のかたがいると、片っ端から声をかけ、
入会勧誘の電話をし、こまめに葉書もお出しになっていたそうです。
河野裕子の絨毯爆撃」の異名があったとのこと。
ちなみに私は未来短歌会の笹公人さんに勧められ、塔に入会しました。
 
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 私と名前が並んでいる「原ゆきこ」さんは、のちにお若くして亡くなられました。
進行する病と対峙する歌たちが、当時の塔誌に残っています。
彼女とは直接の交流はありませんでしたが、いつも作品を拝読しており、
訃報は残念でなりませんでした。
いずれこのブログで、原さんの歌も紹介していければと思っています。